「経年劣化しにくい」「水洗いができてお手入れしやすい」など、様々なメリットから最近はセラミック製のコーヒーミルをすすめる記事が多くみられます。
しかし、そうはいっても以下のように悩んでいる方も多いと思います。
- 良いと聞いてセラミック刃のコーヒーミルを買おうか迷っている
- セラミックと金属(ステンレス)の違いってなに?
今回はそんな方のために「セラミック刃と金属刃の違い」「セラミック刃でおすすめのコーヒーミル」「セラミック刃のメリット・デメリット」について解説していきます。
洗い方についても解説していますので、セラミック刃のコーヒーミルが自分に合っているかを考えるきっかけになれば幸いです。
この記事を読むことで、セラミック刃のコーヒーミルについての知識を深め、金属製とどっちが良いかを判断できるようになります。
そもそもセラミックとは?
コーヒーミル以外でも、調理器具などでセラミック素材という言葉を多く耳にしますが、いまいち何なのかよくわからないという意見が正直なところだと思います。
一言でいうと「金属やプラスチック以外で、人の手によって作られ燃えない物質すべて」がセラミック素材です。粘土や岩石などの鉱物を混ぜ、形を整え焼き上げたりすることでつくることができます。
イメージしやすいように身近なものでいうと、陶器やコンクリート、セメントなどがセラミックです。セラミックの特徴は硬くて熱に強いため、経年劣化しにくい点です。
そのため、つくったものや日頃のお手入れなどにもよりますが、セラミック素材は10~20年もしくはそれ以上の寿命があります。しかし、強い衝撃(落下による衝撃など)に弱く、急激に熱したり冷やしたりすると壊れやすいという変わった性質もあります。
コーヒーミルのセラミック刃と金属刃(ステンレス)の違い
コーヒーミルは大きく分けると「セラミック」と「金属」どちらかのミル刃がほとんどで、それぞれに一長一短があります。
素材 | メリット | デメリット |
セラミック |
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金属 |
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上記を見ると、セラミックの方が良いように思えます。しかし、バリスタ監修や高性能のミルの多くには金属製の刃が使われたコーヒーミルが多いのが事実です。
理由は、コーヒーの味を安定される「粒度を均一にする」という部分は切れ味の良い金属製が優れているためです。
セラミック製はすり潰しながら豆を挽くのに対し、金属(ステンレス)は切り刻みながら豆を挽くため、均一性は金属製の方が高くなります。
そのように聞くとセラミック製は表向きは良いが、性能が劣っているように思えますが、コーヒーを淹れるための「素材のにおいが移らない」「摩擦熱が発生しにくい」「お手入れがしやすい」など、使用上の基本はカバーしています。
そのため、「高性能のコーヒーミルを求めない」「コーヒーミルを使うのは初めて」という方にはセラミック製がおすすめです。
逆に金属製のデメリットも理解はしており、「コーヒーの味をとことん追求したい」「コーヒーミルを長年使用している」という方は金属製を選んだ方が、自分が納得できるコーヒーの味を実現できます。
セラミック刃のコーヒーミルを選ぶメリット
ここまで解説して「セラミック刃のコーヒーミルがほしい」と思った方に向けて、金属製と比較しながらメリットを解説していきます。
お手入れがしやすい
セラミック刃の最大の特長ともいえるのがお手入れのしやすさです。金属製(ステンレス)は水に濡れると錆びる可能性が高く、コーヒーミルのお掃除専用ブラシでお手入れを行うため手間がかかります。
しかし、セラミックは水に濡れても錆びたり劣化しない素材のため、水洗いが可能でミル刃についた微粉も綺麗に落とすことが可能です。
微粉を綺麗に落とすと、次にコーヒーを淹れる時に酸化したコーヒー粉と混ざることがないため、コーヒー本来の味と香りが堪能できます。
コーヒー豆を挽いたあと、手間なく簡単に片づけたいという方にもセラミック素材の刃は合っています。
熱伝導性が低い
静電気が発生しにくい素材のため、熱伝導性も低くコーヒー豆が痛む心配がありません。
逆に金属製は、素材的にも静電気が発生しやすく、熱伝導性も高いのでコーヒー豆が痛みやすいです。
コーヒー豆の風味や味を保ちたいという方は、コーヒーの質が失われにくいセラミック製のミル刃を選ぶと良いでしょう。
経年劣化しにくい
セラミック素材は硬度が高いため、耐久性も問題なく経年劣化しにくいです。
そのため、長く使いたいと思っている方にミル刃がセラミック素材のコーヒーミルはおすすめです。
逆に金属製は素材の性質上、大切に使用していても経年劣化を起こすだけでなく、お手入れや適切に使用しない場合は経年劣化のスピードは早まります。
その都度、交換するのに懸念がある方はセラミックを選びましょう。
セラミック刃のコーヒーミルを選ぶデメリット
セラミック刃を使うメリットだけでなく、デメリットも理解した上でコーヒーミルを購入するようにしましょう。
切れ味が劣る
セラミックは金属(ステンレス)に比べると、加工がしにくい素材でもあります。
そのため、金属は鋭く刃を作ることが可能なのに対し、セラミックは鋭い刃を作ることが難しく切れ味が劣ります。
切れ味が劣ると挽くチカラが必要になってくるため、非力な方は挽きにくさを感じてしまう可能性があります。
微粉が出やすい
セラミックは微粉が多く出る点もデメリットです。ちなみに微粉とは、コーヒー豆を挽いた時に出る細かい粉で、微粉が多いとコーヒーの雑味が増えて味の鮮度が落ちます。
セラミックで微粉が多く出る理由は挽き方です。金属(ステンレス)は切り刻むように豆を挽くため、粉を均一に挽けるだけでなく微粉も少ないです。
しかし、セラミックはすり潰しながら豆を挽くので、どうしても微粉が多く出てしまいます。
コーヒーを少しでも美味しく飲みたいと思っている方は、ステンレス素材のミル刃を選びましょう。
セラミック刃でおすすめのコーヒーミル3選
セラミック刃でおすすめのコーヒーミルを3つに厳選してご紹介します。セラミックの特長も含め、下記条件を満たしたものを紹介しています。
- 水洗いが可能
- 挽き目調整機能搭載
- 軽量コンパクト
HARIO(ハリオ) コーヒーミル【セラミックスリム MSS-1TB】
1921年創業で、バリスタからも評判を得ているV60シリーズのコーヒー器具が有名なハリオの【セラミックスリム MSS-1TB】
セラミック刃のコーヒーミルを言えば、名前が上がるほどの評価を得ている製品です。
特長は下記です。
- 価格が2,000円前後とコスパも良い
- 挽く場所や収納も省スペースでOK
- 挽いた量が一目でわかる
- 分解、組み立てがしやすい
- 粉の粒度も簡単に調整可能
使わない時はハンドルを取り外して、本体に立てかけることも可能です。
「セラミック刃でどのコーヒーミルにするか悩んでいる」「コスパ重視でセラミック刃のコーヒーミルを選びたい」という方におすすめです。
サイズ | 幅15cm×奥行7.2cm×高さ22cm |
コーヒー粉の分量 | 24g(約2杯分)※一人分10g換算 |
挽き目調整機能 | 〇 |
PEARL METAL(パール金属)セラミック刃コーヒーミル【ヴィンテージグリーン UW-3546】
「スピード感を活かしたモノづくりでいち早くニーズをお届け」をスローガンに、多くの調理器具を製造・販売するパール金属のコーヒーミル【ヴィンテージグリーン UW-3546】
製品名通り、ヴィンテージカラーのグリーンがおしゃれで、安心のMade in Japnな点から評判を得ています。
特長は下記です。
- 本体は18-8ステンレスで丈夫で壊れにくい
- セラミック刃の下刃は取り外しができるので細かいところまで洗える
- 簡単な挽き目調整機能(右周り:細挽き、左回り:粗挽き)
- 軽量コンパクトで持ち運びもしやすくアウトドアにも最適
本体の18-8ステンレスは、錆びにくく汚れが落ちやすい素材+セラミック刃のお手入れのしやすさ経年劣化しにくい特長から長く愛用できる点がポイントです。
「セラミック刃でより長く使用できるコーヒーミルが欲しい」「おしゃれさも重視したい」という方におすすめです。
サイズ | 直径4.6cm×高さ13.5cm |
コーヒー粉の分量 | 17g(約2杯分)※一人分10g換算 |
挽き目調整機能 | 〇 |
G-LIFE 【充電式 電動式コーヒーミル】
「あなたのコーヒーライフを快適にする」をコンセプトに製品開発を行うG-LIFEの電動式コーヒーミル【TypeC】
販売開始1週間で”売れ筋” “ほしいものランキング”などで5冠を獲得した、電動式コーヒーミルでは注目度NO.1の製品です。
特長は下記です。
- セラミック刃部分だけでなくステンレス本体も水洗い可
- 1回で40gのコーヒーを挽くことが可能
- 持ち運びに特化した水筒型ボディ
- USBケーブルで充電可
- 静音設計
シンプルでスタイリッシュなデザインもポイントです。また、電動式は使用時に電源が必要になりますが、この製品が充電式なため充電すればどこでも使用することができます。
「セラミック刃で電動式のコーヒーミルがほしい」という方におすすめです。
サイズ | 直径7.5cm×高さ23.0cm |
コーヒー粉の分量 | 40g(約4杯分)※一人分10g換算 |
挽き目調整機能 | 〇 |
セラミック刃のコーヒーミルの洗い方
セラミック刃は唯一水洗いができるミル刃です。ここでは、セラミック刃のコーヒーミルのお手入れ方法を解説していきます。
セラミック刃のコーヒーミルの洗い方手順は下記です。
- コーヒーミルを分解していく
- ブラシでコーヒー粉をザッと落とす
- 中性洗剤で洗う
- 風通しの良い場所で乾かす
- 組み立てる
水洗いできる素材ですが、先にブラシでざっくりと粉を落とすと細かい部分まで洗いやすくなります。
また、中性洗剤でつけたスポンジでこすって洗うのも良いですが、コーヒーの油分が付着しているので浸け置き洗いをするとより綺麗になります。
水洗いしたあとは一晩しっかりと乾かすようにしましょう。水分が残っていると劣化の原因を防ぐだけでなく、より美味しいコーヒーを淹れることにもつながります。
セラミック刃のコーヒーミルでコーヒーを楽しんでみては
いかがでしたか?
今回は、セラミック刃のコーヒーミルの購入を検討している方に向けて「セラミック刃と金属刃(ステンレス)の違い」「セラミック刃のメリット・デメリット」「セラミック刃でおすすめのコーヒーミル」についてご紹介しました。
セラミック刃のコーヒーミルは「水洗いできるためお手入れがしやすい」「経年劣化しにくいため長く使用できる」といった特長がありますが、コーヒー本来の味や香りを維持したコーヒー粉を挽くことは難しいというデメリットもあります。
自分がコーヒーミルを選ぶ上で重視している点が、セラミック刃で充分満たせる場合はセラミック刃のコーヒーミルを選びましょう。
セラミック刃のコーヒーミルで、新たなコーヒーライフを楽しんでみてはいかがでしょうか?