最高級のコーヒー豆として、一時期話題になったジャコウネココーヒー(コピ・ルアク)。「猫の糞から作られる」という情報だけ聞くと懸念してしまいますよね。しかし、「なぜ猫の糞からできているコーヒー豆なのに高価なのか」と疑問に思っている方も多いと思います。
ここでは、ジャコウコネコーヒー(コピ・ルアク)とは?を始め、製造工程や値段・味、美味しい入れ方を解説していきます。ジャコウコネコーヒー(コピ・ルアク)を知らない方はもちろん、飲んでみたいなど興味がある方の参考になれば幸いです。
ジャコウネココーヒー(コピ・ルアク)とは?
質の良いコーヒー果実のみを食べるジャコウネコというネコ科の動物の糞を採取し、加工・焙煎して作られたコーヒーです。糞から採取された生豆を「͡コピ・ルアク」と呼び、インドネシア語でコピはコーヒー、ルアクはジャコウネコを意味しています。
ジャコウネコの糞と言うと聞こえは悪いですが、なぜ糞から採取されるのにコピ・ルアクが高級なコーヒー豆とされているのか不思議ですよね。実はこのコピ・ルアク、ジャコウネコから1日3gしか採取できないというのが理由です。
また、ジャコウネコの体内の消化酵素などでコーヒーが発酵し、独特な風味が加わったものを更に厳選している希少性の高い豆なので高級とされています。
ジャコウネココーヒーの製造工程
ジャコウネココーヒー(コピ・ルアク)の製造工程をご紹介します。
①ジャコウネコがコーヒーの実を食べる
ジャコウネココーヒーは、ジャコウネコがコーヒーの実を食べる所から製造がスタートします。
一見何の変哲もありませんが、ジャコウネコは良く熟れた美味しいコーヒーチェリーのみを厳選して食べます。これが、コピ・ルアクの味と風味が最高級のコーヒーとされている秘密でもあります。
②体内で消化され糞として体外へ
通常のコーヒー豆は、コーヒーチェリーの種子を加工してコーヒー豆にしていきます。ジャコウコネコーヒーの場合は、この工程をジャコウネコが体内で約12時間かけて行います。
ジャコウネコの体内でコーヒーチェリーの実の部分だけ消化され、種だけが残ります。その種にジャコウネコ特有の腸内細菌・消化酵素で発酵され、独特の風味や味に変わり、コピ・ルアクに変化していきます。
③ジャコウネコの糞を集めて洗浄
ジャコウネコが排出した糞を人力で集めていきます。楽そうに見える作業ですが、実はこの工程が最も難しく高級に繋がるルールが眠っています。
というのも、排出後時間が経つとコーヒー豆が劣化してしまうため、排出後”2時間以内に集める”というルールがあります。集めた排泄物の中から、更に未消化の種を選別し綺麗に洗浄していきます。かなりの労力を使うことがわかりますね。
④洗浄したコーヒー豆を乾燥させる
ジャコウネコの排泄物から採取・洗浄したコーヒー豆を、数日間陽にあてて自然乾燥させます。水分の含有量が11%になれば乾燥完了となり、焙煎の工程に移されます。
⑤焙煎後コピ・ルアクとして出荷
乾燥させたコーヒー豆を焙煎していきます。この工程で、ジャコウネココーヒー独特の香りと味が決まります。ここで更に粒の大きさや出来具合を選別して価格が決まり、コーヒー豆(コピ・ルアク)として出荷されていきます。
ジャコウネココーヒーの値段や味は?
高級と言われているジャコウコネコーヒー(コピ・ルアク)。一番気になる値段・味について解説していきます。
値段
通常、数百円で購入できるコーヒー豆ですが、ジャコウネココーヒー(コピ・ルアク)は100gで3,000~8,000円が平均相場と高価です。
お店で飲むにしても、2,000~5,000円前後と高級品扱いです。採取・製造工程共に容易ではないため、希少価値が高いコーヒーということがわかりますね。
最近では、格安のジャコウネココーヒーも販売されています。しかし、ジャコウネココーヒーの香りがする液体に漬けているだけの偽物の可能性もあるため注意が必要です。
味の特徴
ジャコウネココーヒー(コピ・ルアク)は、バニラの香りとふわっとした甘みがほんのり漂うスッキリとした味わいのコーヒーです。通常のコーヒーとは異なった味がするのは、やはりジャコウネコ特有の消化酵素や細菌で発酵されているからということがわかりますね。
ちなみにですが、フンの臭いや味は一切しないのでご安心ください。これはジャコウネコが元々コーヒーチェリーしか食べないため、余計な異物と絡まず臭いがしないためです。
ジャコウネココーヒーの美味しい淹れ方
インドネシアではコピ・ルアクを粉状にして、お湯と一緒にカップに注いで飲む方法が一般的です。しかし、私達日本人の多くはペーパードリップを使ってコーヒーを淹れる方が多いので、今回はペーパードリップでの美味しい淹れ方をご紹介していきます。
【準備するもの】
- コピ・ルアク
- コーヒーミル(豆を挽く場合)
- ペーパーフィルター
- ドリッパー
- 約90℃前後のお湯(必要分)
- コーヒーカップ
【淹れ方】
- コピ・ルアクを極細で挽いて粉状にします
- 粉状にしたコピ・ルアク20gをペーパーフィルターに入れます
- 約90℃の熱湯を中心から外側にかけて注ぎます
- 30秒ほど蒸らします(エキスがドリップしたらOK)
- 中心から”の”の字を描いてお湯を注ぎます(2~3回にわける)
- 必要分のメモリまで達したらペーパーを外します
- カップに移して完成です
美味しく飲むには、2~3分で作る事が理想の時間と言われています。ペーパードリップ方式で、ぜひ美味しいジャコウネココーヒーを淹れてみてくださいね。
ジャコウネココーヒー味わってみては
ジャコウネココーヒー(コピ・ルアク)は、ジャコウネコという動物の糞から採取されたコーヒー豆です。しかし、その量や製造工程・採取方法などの希少性が高いため、コーヒーの中でも高級と位置づけられていることが理解できたと思います。
価格も3,000~8,000円と手が届きにくいですが、通常のコーヒーと製造工程や焙煎方法も異なるため違った味わいを楽しめるのも事実です。コーヒー好きの方は一度、最高級のジャコウネココーヒー(コピ・ルアク)を味わってみてはいかがでしょうか?