誰でも簡単に短時間で、お店のような美味しいコーヒーが淹れられるコーヒープレス。
しかし、コーヒープレスといっても「フレンチプレス」「エアロプレス」「アメリカンプレス」とタイプも様々。使い方はもちろん、自分にはどれがピッタリなのかわからず、購入を迷っている方も多いのではないでしょうか?
今回はそんなコーヒープレス初心者のために、コーヒープレスの使い方・選び方を解説していくと共に、おすすめのコーヒープレス5つも併せてご紹介していきます。
良い部分だけでなく、コーヒープレスの欠点(デメリット)も解説しています。良い部分はもちろん、欠点(デメリット)も含めて、コーヒープレスを購入する際の判断材料にしていただけると幸いです。
コーヒープレス(フレンチプレス)の使い方
早速ですが、ここではコーヒープレスの定番「フレンチプレス」の使い方を解説していきます。
- フタを外してガラスポットにコーヒー粉を入れる(ポットを温めておくと冷めにくい)
- 1回のお湯を注ぐ(この時に4分に設定したタイマーをスタートさせます)
- 30秒経ったら2回目のお湯を注ぎます
- フィルターのつまみを上げた状態でフタをする(タイマーが鳴るまで待つ)
- フィルターをゆっくり下げる
- 完成
抽出時間は4分程度と、ハンドドリップよりも抽出時間を短縮できるのが、コーヒープレスの強みです。
また、もう一つの強みとしては、コーヒーの旨み成分でもある、コーヒーオイルを抽出する点です。
ペーパードリップだと、紙のフィルターが油分を濾していましたが、コーヒープレスの場合は金網で濾すため、旨み成分のコーヒーオイルもしっかり抽出できます。ハンドドリップにはない、コクと旨みのあるコーヒーを味わうことができます。
淹れ方のイメージがつくyoutube動画を見つけましたので、こちらも参考にしてみてくださいね。
コーヒープレスの選び方
コーヒープレスを購入する際は、コーヒープレスの「タイプ」と「サイズ」に注目するのがポイントです。ここでは、コーヒープレスを選ぶ際のポイントでもある、「タイプ」と「サイズ」について解説していきます。
タイプ
コーヒープレスは3つのタイプはあります。タイプによって、淹れ方やお手入れ方法も異なるので、自分に適したものを選ぶと良いでしょう。
フレンチプレス
コーヒープレスの中でも、一番スタンダードな「フレンチプレス」。「コーヒープランジャー」や「プレスポット」とも呼ばれている。
フレンチプレスは、お湯を淹れて一定時間(4分程度)放置すれば完成という簡単に抽出できるのが特徴です。そのため、淹れるたびに味がバラつくことがないので、誰でも簡単にコーヒーを淹れることが可能です。
コーヒーの旨みである、コーヒーオイルがそのまま抽出されるので、コーヒーの独特な旨みを味わいたい方にピッタリです。また、定番のタイプなので、価格やデザインのバリエーションも豊富です。
「どのタイプのコーヒープレスが良いか迷っている」「ハンドドリップの抽出時間を短縮したい」という方におすすめのタイプです。
エアロプレス
空気圧を利用して、短時間(30秒~1分で一気にコーヒーを抽出する「エアロプレス」。2005年に開発されたため、比較的新しいタイプのコーヒープレスです。
最大の特徴は、抽出の時間が約1分と短い点です。空気圧をかけてコーヒーを抽出するので、コーヒー本来のコクを味わうことができます。フレンチプレスに比べると、サッパリしたコーヒーを味わえます。
フィルターもペーパーとメタルの両方を使用でき、豆やお湯の量、お湯を淹れるタイミングも自分で自由に調整できるので、味の変化を楽しめるのもエアロプレスの特徴です。
「超短時間でコーヒーを抽出できるコーヒープレスが欲しい」「自分で工夫を加えて味の変化も楽しみたい」という方におすすめです。
アメリカンプレス
密封状態で水圧をかけてコーヒーを抽出する「アメリカンプレス」。
プランジャー(プレス棒)を押して抽出する点は、フレンチプレスと同じですが、挽いた豆をポッド内に閉じ込めて、圧力をかけるという抽出方法の部分が異なります。
アメリカンプレスのフィルターは、超微細構造になっています。そのため、コーヒーオイルの滑らかな味と、カップに微粉が残らずにスッキリとした舌触りになるのが特徴です。
抽出時間も4分前後と短めです。また、アメリカンプレスはプランジャー(プレス棒)を押し、徐々にお湯に触れていくので、抽出中の色の変化も楽しめる点が人気を呼んでいます。
プランジャー(プレス棒)とコーヒーポッドが一体になっているため、使用後のお手入れもしやすく、一度に数杯分のコーヒーを淹れられる点も魅力です。
「一度で数杯分のコーヒーを淹れたい」「微粉が気になるので滑らかなコーヒーを味わいたい」という方におすすめです。
サイズ
コーヒープレスのサイズは、200ml~1,000mlと幅広く販売されています。
一見、一人分~大人数に対応できる、大きいサイズのコーヒープレスを選べば良いと思いがちです。しかし、1,000mlのコーヒープレスで1杯分(約200ml)を抽出しようとしても、コーヒー豆やお湯の分量が異なるため、美味しいコーヒーが抽出できません。
■1人~2人分なら200ml~400ml
■3~4人分なら500ml~700ml
■5~8人の場合は1,000ml など
1日に飲む量や人数に合わせて選ぶと良いです。
コーヒープレスおすすめ5選
おすすめのコーヒープレス5つをご紹介します。商品の特徴と共に、どんな方におすすめかも解説していますので、是非参考にしてみてくださいね。
フレンチプレス
Melitta(メリタ)【フレンチプレス スタンダード】
ハンドルまでもガラスでできており、シンプルでスタイリッシュなデザインのMelittaの「フレンチプレス スタンダード」。商品名通り、機能性・デザイン性共にフレンチプレスタイプのスタンダードと言えるコーヒープレスです。
ガラスの部分には、1~3杯分までの容量が印字されているので計量も一目で行うことができます。機能性もシンプルなため、フレンチプレス特有のコーヒオイルを抽出したコーヒーを味わえます。
また、フィルターの部分は分解して洗浄できるので、お手入れも簡単で衛生面も安心です。価格も2,000円以内と安価なので、購入しやすいコーヒー器具です。
容量は350mlで、1~3人分のコーヒーを抽出することができます。そのため、一人暮らしや二人暮らしにはもちろん、少人数の来客にも対応することができます。
「どのコーヒープレスを買うか迷っている」「まずは安いコーヒープレスを使って様子を見たい」という方におすすめです。
サイズ | 幅 13.0cm × 奥行 7.4cm × 高 16.0cm |
容量 | 350ml |
抽出杯数 | 1~3杯(1~3人用) |
HARIO(ハリオ) 【 ハリオール・ブライトN】
耐熱ガラスメーカーとしても有名なHARIO(ハリオ)が販売する、フレンチタイプのコーヒープレス。
ガラスとステンレスでデザインされた見た目はシンプルで、無駄のないフォルムが人気を集めています。ステンレスの部分は取り外しができるので、適宜洗浄も可能です。
機能の特徴は、デザインと同様「シンプルさ」です。「抽出時間が4分」「コーヒーオイルを抽出」「常に安定した味」「プランジャー(プレス棒)を押すだけ」といったフレンチプレスの特徴を、全て網羅するコーヒープレスです。
価格もリーズナブルで購入しやすいだけでなく、これ1つで自宅で美味しいコーヒーを堪能することが可能です。
容量は300mlなので、1~2人用と少人数や少量のコーヒーを飲む方に適しています。また、コーヒーだけでなく、同じ使用方法で紅茶を淹れることも可能です。
「シンプルかつコスパの良いコーヒープレスがほしい」「コーヒー・紅茶どちらも飲む」という方におすすめです。
サイズ | 幅 11.0cm × 奥行 7.8cm × 高 17.9cm |
容量 | 300ml |
抽出杯数 | 1~2杯(1~2人用) |
BODUM(ボダム) 【コロンビア ダブルウォール】
丸みを帯びたポットのようなデザインのBPDUM(ボダム)のコーヒープレス。フレンチタイプはガラス製が多いですが、こちらは数少ないオールステンレス製です。
ステンレス製の本体は二重構造になっており、熱が逃げるのを防ぐので保温効果が非常に高いです。そのため、長時間デスクで仕事等を行うリモートワーク時にも重宝します。
フィルターも全てステンレス製のため、ペーパーフィルターを使用してのハンドドリップとは少し異なり、コーヒーオイルを余すことなく抽出するので自宅で美味しいコーヒーを堪能できます。
持ち手が大きく握りやすくなっているので、コーヒーを淹れても持ち運びや注ぎやすい点も特徴です。また、サイズのバリエーションも350ml、500ml、1,000mlと豊富なので、人数や1日に飲むコーヒーの量に合わせて購入する事が可能です。
「機能性が高いコーヒープレスが欲しい」「コーヒーを多く飲む、または家族で飲む」という方におすすめです。
サイズ | 幅 11.0cm × 奥行 7.8cm × 高 17.9cm |
容量 | 300ml |
抽出杯数 |
■350ml:1~2杯(1~2人用) ■500ml:3~4杯(3~4人用) ■1,000ml:5~8杯(5~8人用) ※コーヒーカップ1杯120mlを想定 |
エアロプレス
AeroPress(エアロプレス) 【エアロプレスゴー】
海外のスポーツ用品メーカー「エアロビー社」が開発した、エアロプレスタイプのコーヒープレス。AeroPressは、1~3杯分のコーヒーを1分、アイスコーヒーは2分という短時間で抽出できます。
空気圧で一気にコーヒーを抽出するので、苦味や酸味が少ない、スッキリと滑らかなコーヒーを堪能できます。コーヒーに留まらず、エスプレッソの抽出も可能なので、ラテ系が飲みたい方にもピッタリです。
ペーパーマイクロフィルターが350枚ついているので、フィルターを買う手間も不要です。
サイズが小型な上に、使用しない時はコンパクトにひとまとめにできるので、収納スペースに困ることはありません。旅行や出張先・職場にも持ち運びが可能で、外出先でも自分好みの美味しいコーヒーを飲むことが可能です。
「エアロプレスで抽出したコーヒーを味わいたい」「コンパクトタイプのコーヒープレスが良い」という方におすすめです。
サイズ | 幅 9.4cm × 奥行 9.4cm × 高 13.5cm |
容量 | 300ml |
抽出杯数 | 1~3杯(1~3人用) |
アメリカンプレス
arktrading(アークトレーディング) 【AMERICAN PRESS】
水圧密封でコーヒー本来の風味や旨みを壊さず抽出するので、本格的なコーヒーの味を楽しめるアメリカンプレス。
透明感あるスマートな見た目のデザインで、コーヒーを淹れる際も色味の変化を楽しむことができます。また、お湯の時間や温度を微調整することで、自分好みの淹れ方や味を追求できるのも、アメリカンプレスならでは。
本体に目盛りが印字されているので、計量も一目で確認できます。また、ポッド内の上下フィルターがステンレス製のため、掃除もサーッと洗えるだけでなく、食洗機で洗えるためお手入れも簡単です。
滴垂れがしにくい注ぎ口なので、注ぐ際にテーブルなどを汚す心配も不要です。
「雑味が少なく、舌触りの良いコーヒーを味わいたい」「手入れがしやすいコーヒープレスを探している」という方におすすめです。
サイズ | 幅 8.8cm × 高 21.0cm |
容量 | 標準:355ml、MAX:414ml |
抽出杯数 | ー |
コーヒープレスで美味しいコーヒーを淹れる方法
ここではコーヒープレスで、より美味しいコーヒーを淹れるためのポイントを3つ解説します。
新鮮なコーヒー豆を直前に挽く
コーヒープレスは、コーヒー本来の風味や旨み成分がダイレクトに抽出されます。そのため、新鮮なコーヒー豆を淹れる直前に挽くと、より香りが立ち、多くの旨みが抽出された美味しいコーヒーが味わえます。
古いコーヒー豆を使用すると、コーヒーの香りや旨みを全く感じられない残念なコーヒーに仕上がります。
コーヒープレス本体を温めておく
コーヒーを淹れる時は、予めコーヒープレスをお湯で温めておくと良いです。温度を一定に保ちながらコーヒーを淹れられるので、香りや味わいが段違いに変わります。
温めずにコーヒーを淹れると、コーヒープレス本体が冷えているので、お湯の温度が冷めてしまいます。この状態では、コーヒー本来の香りやコーヒーオイルなどの旨みがしっかり抽出されません。
適温(約90℃)を維持するためにも、コーヒープレスを直前に温めておくことがポイントです。
フィルターの洗浄は入念に行う
フィルターをしっかり洗浄しておくことも、コーヒープレスで美味しいコーヒーを淹れるポイントの1つです。
コーヒー抽出後は、フィルターが油分や粉で汚れています。油分は酸化・劣化すると、嫌なニオイを発し、次にコーヒーを淹れる時にニオイが付着してしまい、美味しさを感じにくくなります。
コーヒープレス使用後は、フィルターをしっかりと洗浄して清潔さを保つようにしましょう。
コーヒープレスを使うデメリット
一見、コーヒープレスは手軽に美味しいコーヒーを淹れるのに便利です。しかし、欠点(デメリット)もあるので、欠点も考慮した上で購入するようにしましょう。
抽出後の手入れが手間
コーヒープレスのほとんどは、ステンレス製のフィルターでコーヒーを抽出します。そのため、ハンドドリップで使うペーパーフィルターの準備が不要なので、一見便利なように思えます。
しかし、コーヒープレスのフィルターは網目が細かいものが多いため、使用後の洗浄に手間がかかるという欠点があります。
ザッと洗えば良いようにも思えますが、前述でもお伝えした通り、油分が残っているとニオイを発し、香りや風味を損なう原因になります。洗浄するのが面倒と思うズボラな方には、不向きな場合があります。
コーヒーが持つ旨み・風味がそのまま抽出される
コーヒーが持つ旨みや風味がダイレクトに抽出されることは、強みでありメリットと捉えがちです。
しかし、コーヒープレスで淹れたコーヒーは、コーヒー独特のコーヒーオイルや微粉を多く抽出します。そのため、人によっては「オイルの独特な味」や「粉っぽい舌触り」に強い不快感を抱く方もいます。
微粉はアメリカンプレス、コーヒーオイルはペーパーフィルターを使うエアロプレスで改善は可能です。しかし、「オイル」「微粉」どちらの欠点もコーヒープレスで完全に補うことは難しいです。
淹れられる杯数が決まっている
ハンドドリップの場合は、大容量のコーヒーサーバーを使用することで杯数の調整が可能です。しかし、コーヒープレスの場合は、サイズで淹れられる量(杯数)が決まっているので、量(杯数)を柔軟にコントロールすることは難しいです。
量(杯数)に対応するには、複数のコーヒープレスを購入するか、大容量(1,000mlなど)のコーヒープレスを別途購入する必要があります。
コーヒープレスで美味しいコーヒーを味わってみては
今回は、コーヒープレスの購入を検討している初心者に、コーヒープレスの使い方や選ぶ際のポイント、おすすめのコーヒープレス5つをご紹介しました。
コーヒーの旨みや風味をダイレクトに抽出し、短時間で誰でも簡単に美味しいコーヒーを淹れられる点がコーヒープレスの最大の強みです。
しかし、「コーヒー独特の旨みや風味を抽出する」「フィルターの手入れが手間」「淹れられる量が決まっている」など、欠点(デメリット)もあります。
強みと欠点がありますが、コーヒー独特の旨みを味わえるのはコーヒープレスだけと言っても過言ではありません。コーヒープレスの強みと欠点をしっかりと理解した上で購入し、今までとは違った味のコーヒーを生活に取り入れてみてはいかがでしょうか?