近年、健康志向が高まりもあり、コーヒーの分野もデカフェやカフェインレスが主流になりつつあります。
そうはいっても、何となく言葉は聞いたことあっても意味や違いがわからず…
■デカフェコーヒーって何?
■カフェインレス・ノンカフェインとは違いは?
とモヤモヤしている方も多いのではないでしょうか?
今回はそんな方のために「デカフェコーヒーとは?」を始め、「デカフェのメリット・デメリット」「カフェインレス・ノンカフェインとの違い」を解説していきます。
この記事を読むことで「どんなコーヒーがデカフェに分類されるのか」「カフェインレスとノンカフェインとの違いが明確になる」ので、デカフェやカフェインレスに興味がある方の参考になれば幸いです。
デカフェコーヒーとは?
デカフェとは?
デカフェ(Decaf)は英語のdecaffeinatedを略してつくられた言葉で、『カフェインを除去した』という意味です。
そのため、デカフェはコーヒーや紅茶・緑茶といった『カフェインを含む飲食物からカフェインを取り除いたもの』、栄養ドリンク・炭酸飲料といった『製造時に加えるカフェインを添加しなかったもの』を指します。
デカフェは1819年にドイツで登場し、1903年には脱カフェイン技術が考え出されたと言われています。また、欧米ではデカフェの人気が高く、市場の約15%前後のシェアを誇っています。
日本でもここ最近で認知度があがり、デカフェはもちろん今ではカフェやコーヒー販売店で、カフェインレスやノンカフェインの商品が多く販売されています。
作り方
デカフェは主に、健康志向の方やカフェインを気にする方から人気を集めています。しかし、元々コーヒーに含まれているカフェインを、どのようにして除去しているのか気になりますよね。
ここでは、デカフェの作り方を3つご紹介します。
有機溶媒抽出法
ドイツで1番最初に考案されたカフェインの除去方法が「有機溶媒抽出法」です。
有機溶媒(クロロホルム・ベンゼン・ジクロロメタンなど)をコーヒーの生豆に通して、カフェインを抽出します。
しかし、有機溶媒抽出法は現在日本では使用されていない上に輸入も禁止されています。
その理由としては、有機溶媒にジクロロメタンが使用されていることが多く、コーヒー豆に残留し、肌の炎症や発がん性の疑いがあるためです。
海外では定番のカフェイン抽出方法ですが、日本では禁止されている作り方です。
水抽出法
コーヒーの生豆を水に浸し、カフェインの水溶性の成分を抜き、自ら有機溶媒でカフェインを除去する方法が「水抽出法」です。
さらに有機溶媒を取り除いた水にコーヒーの生豆を戻して、カフェイン以外の成分をコーヒー生豆に戻します。
有機溶媒を使用しているので安全性に疑問を抱くと思いますが、水抽出方法では有機溶媒はコーヒー豆に接触させないため、安全性にも問題ありません。
スイスウォータープロセス製法
カフェイン以外のコーヒー成分で満たされた水の中にコーヒーの生豆を浸して、カフェインのみを除去し、カーボンフィルターを通過させてつくる方法が「スイスウォータープロセス製法」です。
水抽出法と似ていますが微妙に異なり、味が落ちないだけでなく、水を使用するのでより安全性が高いカフェイン除去方法です。
最近、カフェなどのお店で販売されているデカフェは、この製法が使われているものもあるので、気になる方は購入の際にぜひチェックしてみましょう。
デカフェコーヒーのメリット・デメリット
デカフェコーヒーのメリット・デメリットを解説していきます。
メリット
カフェイン量を気にせずコーヒーが飲める
カフェインの1日の摂取量は、健康成人で約400ml(マグカップ3杯分)、妊娠中・授乳中の方で約200ml(マグカップ2杯分)が適量と言われています。
カフェインはコーヒー以外にも含まれているため、通常のコーヒーを飲む場合はカフェイン量を気にする必要があります。
しかし、デカフェコーヒーはカフェインの含有量が通常のコーヒーに比べると限りなく少ないため、1日の摂取量をあまり気にせずコーヒーを飲むことができます。
デカフェコーヒーといっても、100%カフェインを含まないわけではなく、1~2mg程度はカフェインが含まれています。
異常なほどガブ飲みしない限り、1日の摂取量に達することはありませんが、少量のカフェインが含まれていることは頭に入れておくと良いでしょう。
妊娠中・授乳中の方でも飲みやすい
妊娠中・授乳中でも「コーヒーが飲みたい」という方は多いと思います。
コーヒーを飲むことが習慣化していると、急にコーヒーを飲まない生活をおくるのもストレスが溜まりますよね。
そんな妊娠中・授乳中の方にも、カフェインの含有量が少ないデカフェコーヒーはおすすめです。
カフェインの含有量が少ないので摂取量を気にしないで飲みやすく、疲れを癒すことができます。
胃腸にやさしい
コーヒーに含まれるカフェインは、胃液の分泌を促進する効果があります。
食後にコーヒーを飲んだ場合は消化を促進する効果がありますが、空腹時にコーヒーを飲むとカフェインで胃の中が荒れ、吐き気を引き起こす場合もあります。
デカフェコーヒーの場合はカフェインがゼロに近いので、いつ飲んでも胃腸が荒れる心配がなく、胃腸が弱い方でも安心して飲むことができます。
睡眠への影響が少ない
通常のコーヒーに含まれるカフェインには興奮作用の効果があるため、夜寝る前にコーヒーを飲むと眠れないなど睡眠に影響が出ます。
熟睡するためにも、夕飯時や寝る前のコーヒーは避けたいところですが飲みたくなることも多々あると思います。
そんな時、カフェイン量が少ないデカフェコーヒーを変えることで睡眠への影響が出ないので、夜にコーヒーを飲む方におすすめです。
デメリット
味に物足りなさを感じる
デカフェコーヒーは、通常のコーヒーの味と比較すると苦みやコクなどが抑えられ、スッキリと飲みやすく作られています。
そのため、通常のコーヒーの味に慣れている方や味にこだわりがある方には、物足りなさを感じることがあります。
メーカーによっては後味に酸味が強く残ることもあるので、購入の際は店員さんに味の特徴を確認すると良いでしょう。
デカフェの品数はまだ少ない
デカフェの認知度は上がっているものの、通常のコーヒーに比べるとまだまだ品数は少なめです。
カフェのメニューにも、デカフェやカフェインレスといった商品が注文できますが、種類はまだまだ少ないです。そのため、通常のコーヒーのように自分好みの味が見つけにくいといえます。
価格が少し高い
デカフェコーヒーは、通常のコーヒーと比較すると価格が高いです。理由としては、カフェインを取り除くという工程がどうしても入るためです。
メーカーによっては数十円の差のところもありますが、デカフェコーヒーの方が高くなりがちです。
カフェインレスやノンカフェインとの違い
「デカフェ」と似た言葉で「カフェインレス」「ノンカフェイン」というワードが使われています。それぞれデカフェと何が違うのか解説していきます。
カフェインレスとの違い
「デカフェ」はカフェインが含まれたコーヒー豆から、カフェイン成分を除去したものを言い、微量にカフェインも含まれています。
それに対し「カフェインレス」はもともとのカフェインの含有量が少ないものをいい、日本の規定では、カフェインを90%以上取り除いた商品を「カフェインレス」と呼べるようになります。
微量のカフェインが含まれている点には違いがありませんが、カフェインの含有量がもともと多量に含まれているか、もともと少ないのかが違いになってきます。
ノンカフェインとの違い
「デカフェ」はカフェインが微量に含まれているのに対し、「ノンカフェイン」はその名の通り”カフェインが全く含まれていないもの”をいいます。
そのため、微量でもカフェインが身体に合わない場合やカフェインを摂取したくない方は「ノンカフェイン」のコーヒーを選ぶと良いでしょう。
妊娠中・授乳中の方で微量でもカフェインが気になる場合は、ノンカフェインを選ぶことをおすすめでします。
デカフェコーヒーを味わってみては
いかがでしたか?
今回は、デカフェについて知りたい方に「デカフェコーヒーの意味・作り方」「カフェインレス・ノンカフェインの違い」などを解説しました。
デカフェは『カフェインを除去した』という意味がありますが、カフェインが全くのゼロではなく微量に含まれています。
微量でもカフェインがどうしても気になる方は、カフェインが全く含まれていないノンカフェインのコーヒーを飲むと良いでしょう。
デカフェコーヒーなどは多少味が落ちますが、今は通常のコーヒーに近い味も販売されているので探して試してみると良いでしょう。
カフェインの摂取量を抑えられるデカフェコーヒーで、新たなコーヒーライフを始めてみてはいかがでしょうか?